■ はじめに

IDEC(6652)は、制御用操作スイッチや表示灯、非常停止用押ボタンスイッチなどの安全関連機器を手がける、FA(ファクトリーオートメーション)分野の電気機器メーカーです。2026年8月6日に発表された2027年3月期第1四半期の決算では、売上高が前年同期比36.0%増、受注高は過去最高額を更新しました。AI関連の設備投資テーマと配当を両にらみできる銘柄として、気になっていた1社です。

■ 基本データ

・1株あたり年間配当金(2026年3月期・実績):130円(中間65円+期末65円)
・1株あたり年間配当金(2027年3月期・会社予想):130円(中間65円+期末65円)
・配当性向(2026年3月期・筆者試算):約99%(1株当たり当期純利益131.22円と年間配当130円から単純試算。会社が公表した数値ではありません)
・配当性向(2027年3月期・会社予想EPSによる筆者試算):約64%(会社予想の1株当たり当期純利益203.25円と年間配当予想130円から単純試算)
・権利確定月:中間 9月末日/期末 3月末日

⚠️ 配当利回りは株価の変動により毎日変わります。投資判断の際は必ず最新情報をご確認ください。

なお、noteマネーではIDEC(6652)の株価チャートをリアルタイムで確認できます。ぜひ活用してみてください。

https://money.note.com/embed/charts/6652?type=company&period=fix&end_date=2026-08-12&term=six_month&embed_key=XPtphkqBzACd5Jde

■ 配当の安定性・増配実績

公式IRの配当推移によると、年間配当は2020年度50円 → 2021年度100円 → 2022年度130円と段階的に引き上げられ、2022年度から2025年度(2026年3月期)まで4期連続で130円が維持されています。2027年3月期も130円の予想が出ているため、予想を含めると5期連続で同水準となる見込みです。

いわゆる連続増配銘柄ではなく、水準を大きく引き上げたあとに高い配当を維持しているタイプと言えます。過去には減配となった年度もあり、累進配当のような明示的な下限方針は置かれていない点には留意が必要です。

■ 業績トレンド

2026年3月期(通期実績)は、売上高729億67百万円(前期比8.3%増)、営業利益61億18百万円(同67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益38億73百万円(同117.7%増)と、前期の落ち込みから回復しました。

2027年3月期第1四半期は、売上高214億5百万円(前年同期比36.0%増)、営業利益24億58百万円(同656.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益47億54百万円(同922.0%増)。ただし四半期純利益については、米国の旧本社の土地・建物の譲渡に伴い、固定資産売却益41億87百万円を特別利益として計上しています。なお、2026年5月14日の譲渡開示時点では約39億円の計上見込みとされていました。受注高は256億20百万円(同65.2%増)で過去最高額を更新しました。

通期の会社予想は、売上高755億円、営業利益72億円、親会社株主に帰属する当期純利益60億円(前期比54.9%増)。第1四半期時点では据え置かれており、会社は受注動向や為替影響を見極めたうえで確定次第あらためて公表する方針を示しています。

■ 株主優待

なし。2026年8月時点で、公式IRサイトの株式情報ページには株主優待制度の案内が掲載されておらず、株主還元は配当が中心となっています。

■ リスク・注意点

・設備投資サイクルの影響を受けやすい点。半導体製造装置やデータセンター関連の投資動向によって売上が振れやすい傾向があります。
・為替の影響。海外売上高比率が高く、会社は米ドルが1円変動した場合に売上高120百万円・営業利益10百万円程度の影響があるとの感応度を開示しています。
・利益水準と配当のバランス。2026年3月期は配当性向が約99%(筆者試算)と高水準でした。2027年3月期予想の純利益には特別利益が含まれるため、本業の利益成長が続くかが今後の配当水準を考える前提になると考えられます。

■ しまちゃんの総評

「配当を増やし続ける銘柄」というより、「一度上げた配当を粘り強く守っている銘柄」という印象です。配当性向が約99%(筆者試算)だった期があることを踏まえると、利益が伸びてくれないと維持が苦しくなる局面もあり得ます。その意味で、第1四半期の受注高が過去最高を更新したのは素直に前向きな材料だと感じました。

一方で四半期純利益の大きな伸びは固定資産売却益によるところが大きく、ここを本業の実力と読み違えないようにしたいところです。通期予想が据え置かれている点も含め、第2四半期の数字を見てから判断しても遅くないタイプで、長期保有を検討する際の候補の一つになり得る、というのが今のところの受け止めです。

なお当ノートでは、東ソー(4042)と住友精化(4008)も個別に取り上げています。あわせて読んでいただけるとうれしいです。

■ 免責

この記事はあくまで個人の体験をもとにした情報提供です。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもと、最新情報に基づいて行ってください。数値・情報は執筆時点(2026年8月)のものです。最新情報は各社IR・証券会社サイトでご確認ください。