■ はじめに

パーク24は2026年9月28日の適時開示で、子会社のカーシェア「タイムズカー」のWebシステムへの不正アクセスにより、約660万件のアカウント情報が漏えいしたと公表しました。私はこのニュースを聞いた翌日に、保有していたパーク24を売却しました。損益はわずかなプラスでした。
この記事では、開示された事実と会社が出している配当・優待・業績の数字を日付つきで整理し、そのうえで自分がどう判断したかを書きます。売却や保有を勧める記事ではありません。

■ 基本データ

・年間配当(会社予想):2026年10月期は65円(第2四半期末は0円、期末のみ)
・配当の物差し:現行の中期経営計画でDOE10%程度+追加還元
・基準日:期末配当・株主優待とも10月31日

⚠️ 配当利回りは株価の変動により毎日変わります。投資判断の際は必ず最新情報をご確認ください。
なお、noteマネーではパーク24(4666)の株価チャートをリアルタイムで確認できます。ぜひ活用してみてください。

https://money.note.com/embed/charts/4666?type=company&period=fix&end_date=2026-10-02&term=six_month&embed_key=tBscnBgDN2hZFeHH

■ 開示された事実(日付つき)

・9月25日9時07分に不正アクセスを検知し、9月26日までに侵入経路を遮断したとされています。
・9月28日の第2報と適時開示で、タイムズカー会員(退会済みを含む)などの約660万件の漏えいが公表されました。氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報、本人確認書類の画像などが対象です。クレジットカード情報は漏えいしていないことを確認し、パスワードは復元できない形式で保管していたと開示されています。
・原因は調査継続中で、個人情報保護委員会と警察へ報告したとされています。サービス提供への影響は確認されていません。
・業績への影響は、適時開示で「精査中」とされています。
・9月29日の第3報では、運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたアカウントが約160万件あることが公表され、同日から対象者へのメールによる個別案内が開始されました。個々の漏えい内容は、外部専門機関の調査結果を踏まえて2週間程度を目処に改めて案内するとされています。

■ 配当方針の読み解き

公式IRの配当ページの基本方針は、利益成長による企業価値向上を第一義とし、内部留保の状況を勘案したうえで、余剰資金について配当を中心に還元するというもので、配当は期末の年1回が基本です。
数値の物差しは、2024年12月に公表した現行の「2027年10月期中期経営計画」(2025〜2027年10月期)にあります。株主資本900億円を目標水準とし、「株主資本配当率(DOE)10%程度+追加還元」を掲げ、その目安を「ROE20%程度×配当性向50%程度=DOE10%程度」と示しています。2026年10月期に株主資本900億円・DOE10%の達成を目指し、2027年10月期は「DOE10%+追加還元」という設計です。累進配当を掲げているわけではありません。
配当額は、2024年10月期の5円(配当性向4.6%)から、2025年10月期の30円(32.2%)、2026年10月期の会社予想65円へと大きく動いています。65円は2025年12月の決算短信では配当性向46.2%の予想として示されました。その後、2026年6月に純利益予想が440億円へ上方修正されたことで、現在の予想配当性向は25.2%となっています。配当予想65円は据え置かれています。
配当方針の型の整理は、9月29日の記事「保有8銘柄の配当方針を『物差し』で並べ直す」でまとめています。

■ 業績トレンド

2025年10月期は、売上高4,061億円(前期比9.5%増)、営業利益375億円(2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益159億円(14.5%減)でした。2026年10月期は、2026年6月の修正後の会社予想で営業利益425億円、純利益440億円です。第3四半期累計の営業利益は289億円(前年同期比16.2%増)でした。

■ 株主優待

公式IRによると、株主優待は2026年10月期から再開されました。10月31日時点で100株以上を保有する株主が対象で、内容は次の2つです。
・タイムズカー入会特典:入会後3カ月間の月額基本料金が無料
・カーシェアeチケット:880円分/枚。1年以上継続して100株以上を保有する株主が対象で、2〜8枚
2027年10月期以降の内容は未定と明記されています。

■ 売却した経験

私は、このニュースを聞いた翌日に売却しました。損益はわずかなプラスでした。今回の問題が、事業や利用者からの信頼に長期的な影響をもたらすと考えたためです。
10月31日の基準日に株主名簿に記載される権利を得る前に手放したため、2026年10月期の期末配当(会社予想65円)と、再開した優待の対象外になりました。
売却を決めた時点で分かっていなかったこともあります。原因、損害額、業績への影響は「精査中」や調査継続中のままで、続報次第で見方が変わる余地が残っていました。この判断が良かったかどうかは、今後の開示で変わります。

■ 見落とされやすい点

1つ目は、「業績への影響は精査中」という開示の意味です。開示時点で影響額の見通しは示されておらず、損害や対策の費用がどの期にどの規模で出るかは確定していません。会社は、影響が出る場合は速やかに開示するとしています。

2つ目は、純利益予想の水準です。2026年10月期の純利益予想440億円は前期の159億円から大きく増える水準ですが、2026年6月の業績予想修正では、英国事業の再編に伴う特別損失が当初想定を大きく下回ったことに加え、シンガポール事業の売却に伴う特別損失や、英国事業再編に伴う法人税等調整額(益)の計上などが、純利益予想の上方修正につながっています。営業利益(425億円)は前期の375億円からの増加で、本業の伸びとは分けて見る必要があります。配当性向が46.2%から25.2%へ下がったのは、配当を減らしたからではなく、分母の純利益予想が増えたためです。

3つ目は、再開した優待の中身です。入会特典はタイムズカーのもので、eチケットもカーシェア向けです。今回の漏えいの対象サービスと重なりますが、事件が優待の運用にどう影響するかについて、会社の説明は確認できていません。

■ しまちゃんの総評

今回は、配当や業績の数字よりも先に、情報が出揃っていない段階で判断を迫られる難しさを感じました。損益がわずかなプラスだったことは、判断の正しさを示すものではなく、結果としてそうなっただけだと受け止めています。続報で原因や業績への影響が示された段階で、あらためて数字を見直したいと思っています。

■ 最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。よければスキ❤️をお願いします🙏
フォローしていただくと、励みになります。

この記事はあくまで個人の体験をもとにした情報提供です。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもと、最新情報に基づいて行ってください。数値・情報は執筆時点(2026年10月)のものです。最新情報は各社IR・証券会社サイトでご確認ください。