■ はじめに

9月末の中間配当は、9月29日の権利落ち日を経て、昨日9月30日に基準日を迎えました(権利付最終日は9月28日)。9月はソフトバンク、丸紅、武田薬品工業、電源開発、丸井グループ、全国保証、三井住友トラストグループ、東急不動産ホールディングスの8銘柄を記事にしてきました。いずれも保有している銘柄です。
並べて見えてきたのは、「増配」や「累進配当」という言葉の有無よりも、配当を何に連動させているかで、業績が振れたときの動きが変わるという点でした。

■ 8銘柄の物差しは4タイプ

各社が方針として掲げている基準を、記事の執筆時点の資料からまとめました。

1つ目は、利益に連動させる型です。全国保証は2026〜2030年度の中期経営計画で配当性向50%の維持を掲げ、2027年3月期の会社予想は123円、配当性向50.0%です。同計画の2030年度の計画配当149円は、EPS計画298.0円に対して50.0%にあたり、配当性向50%を維持する計画のため、中長期ではEPSの伸びが配当の伸びにつながる設計と読めます。東急不動産ホールディングスは中期経営計画2030で、2025〜2027年度の配当性向35%以上と累進配当を掲げています。2026年3月期は期初予想から2度増配して48.0円でしたが、配当性向は35.4%と35%前後のままでした。ただし35%以上は2028年3月期までで、2028年度以降の還元方針は改めて策定するとされています。個別の数字は全国保証の記事、東急不動産ホールディングスの記事で書いています。

2つ目は、株主資本に連動させる型で、丸井グループが該当します。DOE10%程度を目安とし、2027年3月期の会社予想は134円です。2026年3月期は目安を8%程度から10%程度へ引き上げた期で、106円から131円へ25円増えました。2027年3月期予想はDOE10%程度を維持し、年間配当は134円と3円の増配を見込んでいます。増配幅が指標の引き上げと連動して見える点は、丸井グループの記事で詳しく書きました。

3つ目は、還元総額に連動させる型で、総還元性向の目安は電源開発が30%、三井住友トラストグループが50%以上、丸紅が40%程度です。電源開発は2025年5月に連結配当性向30%の目安から総還元性向30%の目安へ変更しました。従来の目安を下回る配当性向が続いていた点を、会社が決算説明会のQ&Aで反省点として述べています。三井住友トラストグループは2026年5月14日に方針を変更し、配当は修正純利益の50%程度を目安とする形になりました。連結配当性向は2026年3月期の40.9%から、2027年3月期の会社予想は34.3%(自己株式消却予定考慮後の注記付き)で、同じ「配当性向」でも分母の違う数字が並びます。丸紅は年100円を基点とする累進配当を掲げますが、導入は2023年2月で、2021年3月期の35円から33円への減配はそれより前の出来事です。各社の記事は電源開発、三井住友トラストグループ、丸紅で書いています。

4つ目は、数値基準を置かない型です。武田薬品工業は「増額または維持する累進配当」を掲げ、2027年3月期の会社予想は204円です。財務ベースの配当性向は2024年3月期が204.2%、2025年3月期が286.7%で、2026年3月期は当期損失となったため、配当性向は「-」となっています。配当性向では水準を測りにくい銘柄です。ソフトバンクは利益成長に合わせた継続的な増配を目指す方針を掲げ、2021〜2026年3月期は8.60円で6期同水準、2027年3月期は8.80円(会社予想)です。こちらの詳細は武田薬品工業の記事、ソフトバンクの記事にまとめています。

■ 権利落ち後にどこを見るか

物差しが違えば、次に見る場所も変わります。利益連動型なら利益予想の修正、DOE型なら株主資本の積み上がり、総還元性向型なら自己株式取得の追加や進捗、数値基準のない型なら増配の有無そのものです。各社の第2四半期決算は10月下旬から11月中旬に集中する見込みで、多くは10月末から11月上旬にかけて発表され、ここが次の確認ポイントになります。

■ まとめ・しまちゃんの一言

同じ「累進配当」「増配」という言葉でも、その裏の物差しは8銘柄で4通りありました。銘柄を選ぶときは配当額や配当性向の水準だけでなく、何が動いたら配当が動く設計なのかを見ておくと、自分の保有の組み合わせを考える手がかりになると感じています。

■ 最後に

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この記事はあくまで個人の体験をもとにした情報提供です。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもと、最新情報に基づいて行ってください。数値・情報は執筆時点(2026年10月)のものです。最新情報は各社IR・証券会社サイトでご確認ください。