■ はじめに
2026年7月21日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2026」(通称:骨太の方針2026)を閣議決定しました。高市内閣にとって初めての骨太の方針で、キャッチフレーズは「責任ある積極財政」元年。
最大の目玉は、AI・半導体や防衛産業など17の戦略分野に対し、2040年度までに官民合わせて370兆円超を投じる「強く豊かな日本」投資枠の創設です。
この17の戦略分野を眺めたとき、「これ、うちのポートフォリオにある銘柄ばかりでは……?」と気づいたのが今回の記事を書いたきっかけです。政策テーマと高配当株の接点を、これまで投稿してきた銘柄を交えながら整理してみました。
■ 骨太の方針2026とは
骨太の方針は毎年閣議決定される「政府の経済財政運営の方針書」です。翌年度以降の予算編成の起点となる文書で、ここに書かれた分野は重点的な予算手当てにつながる傾向があります。
今回の17の戦略分野には次のような分野が含まれています。
・防衛産業
・航空・宇宙
・造船
・マテリアル(重要鉱物・部素材)
・資源・エネルギー安全保障・GX
・AI・半導体
・防災・国土強靱化
(ほかにも量子・フュージョンエネルギー・フードテック・コンテンツなど計17分野)
これらには通常の歳出シーリングとは別枠で運用される「強く豊かな日本」投資枠が適用され、複数年度にわたって継続的に投資が行われる計画です。例年12月に策定していた予算編成の基本方針を骨太の方針に前倒しで盛り込んだ点も、企業や投資家にとって予見可能性が高まる動きと言えます。
■ 防衛産業×高配当株
17分野のなかでも、受注環境への影響がイメージしやすいのが「防衛産業」「航空・宇宙」「造船」の3分野です。
三菱重工業(7011)・川崎重工業(7012)・IHI(7013)は、防衛システム・航空エンジン・艦艇建造など、これら複数の戦略分野にまたがる事業を展開する国内有数の重工メーカーです。骨太の方針で「シーリングなし・複数年計画」の投資対象として明記されたことで、受注の継続性という観点では長期的に恩恵を受けやすい環境が続くと考えられます。
ただし、こうした政策的な背景はあくまで参考情報のひとつ。投資判断の基本は個別企業の業績・財務・配当方針にあることは変わりありません。
■ 資源・エネルギー安全保障×高配当株
「資源・エネルギー安全保障・GX」も17分野のひとつです。
以前の記事でご紹介したINPEX(1605)は、国内有数の石油・天然ガス開発会社。エネルギーの安定供給という国策的な位置づけが続いており、今回の骨太の方針においても戦略分野の一角として明記されています。
■ マテリアル・造船×高配当株
「マテリアル(重要鉱物・部素材)」もひとつの戦略分野として独立して掲げられています。
以前の記事でご紹介した日本製鉄(5401)は国内最大の鉄鋼メーカーであり、防衛・造船・エネルギー設備・社会インフラ向けに高機能鋼材を供給しており、マテリアル分野を支える基盤企業のひとつです。詳しくは日本製鉄(5401)の過去記事を参考にしてください。
■ まとめ・しまちゃんの一言
骨太の方針はあくまで政府の「宣言」であり、実際の予算規模や企業業績への影響は今後の概算要求・予算案の審議を経て明らかになっていきます。政策が後押しになっていても、投資の基本はあくまで個別企業の業績・財務・配当方針の確認です。
それでも「どの産業に国の長期的な意思があるか」を把握しておくことは、長期保有銘柄を考えるときのひとつの手がかりになると感じています。防衛・エネルギー・素材・造船などの分野には、高いキャッシュフロー創出力を背景に株主還元を重視する企業も多く、高配当株投資との親和性を改めて感じているところです。
引き続き個別銘柄の記事でさらに詳しく掘り下げていきますので、ぜひこれからも一緒に高配当株を学んでいきましょう。
この記事はあくまで個人の体験をもとにした情報提供です。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもと、最新情報に基づいて行ってください。数値・情報は執筆時点(2026年7月)のものです。最新情報は各社IR・証券会社サイトでご確認ください。
