■ はじめに

日東富士製粉(証券コード:2003)は、三菱商事グループの傘下に入る製粉会社です。薄力粉・強力粉・中力粉などの小麦粉を製造し、製パン・製麺・菓子メーカーなどの業務用需要を中心に、長年にわたり安定した事業を続けてきた国内有数の製粉会社です。

2026年7月下旬には、政府・与党内で食料品にかかる消費税負担の軽減策(実質ゼロを含む案)が検討されていると複数の報道がありました。執筆時点では正式決定前であり、制度内容は今後変更される可能性があります。食料品セクター全体に注目が集まりやすい局面として、製粉の老舗である日東富士製粉を改めてチェックしてみたいと思います。

■ 基本データ

1株あたり配当金(2026年3月期・実績):70円
1株あたり配当金(2027年3月期・会社予想ベース):70円
(※ 2026年4月1日付で1株→4株の株式分割を実施しています。上記は分割後ベースの金額です。分割に伴う配当調整であり、それ自体は実質的な増配ではありません)

配当性向:76.8%(2026年3月期・連結)

権利確定月:3月末(期末配当)、9月末(中間配当)

⚠️ 配当利回りは株価の変動により毎日変わります。投資判断の際は必ず最新情報をご確認ください。

なお、noteマネーでは日東富士製粉(2003)の株価チャートをリアルタイムで確認できます。ぜひ活用してみてください。

https://money.note.com/embed/charts/2003?type=company&period=fix&end_date=2026-07-31&term=six_month&embed_key=l7l4G0SOxFAqT1Pl

■ 配当の安定性・増配実績

日東富士製粉は2022年3月期以降、段階的な増配を続けてきた銘柄です。2025年3月期には当初予想を大幅に上回る形で増配を実施し、1株あたり配当金(2026年4月の4分割後換算)は約47円から70円へと大きく引き上げられました。2026年3月期も前年同額の70円(分割後ベース)を維持しており、2027年3月期の会社予想でも70円が据え置かれています。

一方で、配当性向は76.8%(2026年3月期)と高い水準になっています。同社は累進配当の方針も掲げているため、すぐに減配するとまでは言えませんが、業績がさらに悪化した場合には配当水準の見直しリスクも念頭に置く必要があります。業績の動向は引き続き注視が必要です。

2021年には株主優待を廃止し、以降は「配当重視」の方針を明確にしています。この方針転換は配当水準の引き上げにもつながっており、長期株主への還元姿勢はある程度評価できると感じています。

■ 業績トレンド

売上高は安定して700億円台を推移しています。

2024年3月期:売上高726億円、営業利益52.4億円、純利益42.4億円
2025年3月期:売上高723億円(前年比▲0.4%)、営業利益51億円(同▲2.7%)、純利益35.5億円(同▲16%)
2026年3月期:売上高728億円(前年比+0.6%)、営業利益38.2億円(同▲25%)、純利益33.2億円(同▲6.5%)
2027年3月期(会社予想ベース):売上高730億円、営業利益42億円、純利益33億円

2026年3月期の営業利益は前年比で大きく落ち込んでいます。翌期(2027年3月期)の会社予想では営業利益の回復が見込まれていますが、純利益ベースでは横ばいの予想となっています。売上自体は安定しているものの、コスト面での圧力が続いていることが読み取れます。

■ 株主優待

なし(2021年3月末権利分をもって廃止。以降は配当による還元を重視する方針)

■ リスク・注意点

  1. 営業利益の減少傾向
    2026年3月期の営業利益は38.2億円と、ピーク時(2024年3月期:52.4億円)と比べて大きく落ち込んでいます。食料品分野では原材料価格の変動や競争環境が業績に影響しやすく、回復の速度には注意が必要だと感じています。

  2. 配当性向の高さ
    配当性向が76.8%(2026年3月期)と高水準です。利益が現状を下回ると、減配リスクが生じやすい水準といえます。業績と配当のバランスを継続して確認することが大切です。

  3. 消費税制度変更の影響は限定的な可能性も
    食料品消費税の引き下げ方針は食料品セクターへの追い風として語られやすいですが、日東富士製粉の販売先は製パン・製麺業者などの業務用が中心です。消費者向けの小売店経由の販売とは性質が異なるため、直接的な需要押し上げ効果は限定的になる可能性もある点は意識しておきたいと思います。

■ しまちゃんの総評

日東富士製粉は、小麦粉という日本人の食生活に欠かせない素材を長年支えてきた企業です。三菱商事の傘下という安定した資本背景を持ち、株主還元を重視する方針も評価できる点です。2022年以降の増配傾向は好材料だと感じています。

「食料品消費税の実質ゼロ化」という政策期待だけで投資判断をするのではなく、本業の収益力や利益回復の状況、そして累進配当を含む株主還元方針を継続的に確認しながら、中長期で保有を検討したい銘柄だと感じています。


この記事はあくまで個人の体験をもとにした情報提供です。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任のもと、最新情報に基づいて行ってください。数値・情報は執筆時点(2026年7月)のものです。最新情報は各社IR・証券会社サイトでご確認ください。